2024年6月に読んだ本
読書前回:2024年5月に読んだ本
サピエンス全史 下
全体を通して、ざっくり人類の幸福について考えさせられる内容でした(主に宗教、科学、技術的特異点などの観点から)。
人類の進歩にはメリデメがあり、基本的には幸福度が上がっているが、それでも単純な増加とはいえず、下がっている側面もあります。
上巻でも触れられているように、狩猟採集時代の方が過ごしやすかったという見方もありますが、小児死亡率の減少や戦争の頻度が下がったことなどは明らかに良いことと言えそうです。
ただし、たとえば今後 AI の進歩により人類が技術的特異点に到達すると、何が人類にとって最も幸福をもたらすのかは、非常に難しい観点です。
何もかもが容易に達成できるようになった場合、人類は、自分は、何を望むのか?
自分の価値観は、現在はどちらかというと将来のために努力することが大切、といったものが大きいです。しかし、このような価値観もすぐに揺るがされるような気がしてならなりません。
そうなった場合、自分が何を生きがいにして生きていくのか、今のうちから考え直していきたいです。
似たような内容が書かれていそうな本として 銃・病原菌・鉄 があるので、今後はそちらを読んでみたいです。
静寂の技法
本書では、以下の 3 種類の騒音の詳細と、それに「静寂」を用いて対処する方法が紹介されています。
- 聴覚騒音
- 物理的に耳から聞こえる騒音
- 情報騒音
- オンライン上のコンテンツなどから得られる情報領域の騒音
- 内部騒音
- 自分の頭の中の騒音
それぞれの対処方法について、具体的な事例を踏まえて丁寧に解説があります。また、最後にはこれらの事例の要約がまとめられており、参照しやすくなっているのが良かったです。
おそらく、読了までにはそれなりに時間がかかる部類の本かと思います。ただ、現代を生きていくうえでとても大切なことが書かれていると思うので、もし興味があって読んでみようと思われる方は、ぜひ時間をかけてでもゆっくり読んでみることをおすすめします。