2023年11月に読んだ本

読書

前回:2023年10月に読んだ本

寿命ハック

寿命ハック (新潮新書)
1,210円

書店でタイトルを見かけて、気になったため読んでみました。

本書は全体的に中立的な立場で書かれているような気がしました。例えば特定のサプリや栄養素を取れば長寿になれる、といったことはあまり書かれておらず、だからこそ本書でときおり紹介されている健康に良いとされる食材や習慣について信頼感が持てました。

老化の観点から見れば 0 歳から 93 歳まで生きるのと、93 歳から 100 歳まで生きるのは同じくらい大変、という話が印象的でした。理由は、人間の老化は指数関数的に進むから、とのことです。昔自分が作った Time of Life | あなたの人生の体感時間 のことを思い出しました。

他にも 100 歳まで生きられた場合、1 日 1 日の死のリスクは 25 歳のときのリスクの 1 年分に相当するなど、考えさせられる話が多かったです。自分は謎の自信があり、100 歳までは生きられると思っていたのですが、本書を読んでからはあまり楽観的には捉えすぎず、より今のうちからできることをやっていきたいなと思いました。

22世紀の民主主義

22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる (SB新書)
990円

しばらく家に置いてあって、途中で読むのをやめていましたがようやく読み終えました。

本書で一番語りたかったことを勝手に予想すると、最後の方の章で書かれている無意識民主主義についてだと思っています。無意識民主主義(調べると「無意識データ民主主義」とも出てきた)とは、選挙の投票などによってデータを集めず、インターネットや町中に設置されたセンサーなどから集められた膨大なデータの分析結果から政策などを決定する方式、と理解しています。

実際にそれが実現すれば、かなり効率的でかつ納得感のある政策が展開されるようになりそうですが、日本でそれが実現するのはいつになるかなぁ、とも思いました。

また本書の発売日は 2022 年 7 月 6 日で、時期的に Web3 や DAO といったキーワードがよく出てきていましたが、2023 年 11 月現在の生成系 AI が十分に世の中に浸透したあとの状況ではどのように書かれていたのか、ということが気になりました。おそらくより現実味を帯びている内容になっていたのではないかと思います。しかしながら、同時にすべての政策などを AI に任せることへの漠然とした不安もより高まっていそうです。